PTAの決算書の作り方 — 見本の表と、数字が合わないときの見直し方

公開日 執筆:PTAぽけっと

年度末が近づくと、PTAの会計担当は決算書(決算報告書・収支決算書とも呼ばれます)づくりに取りかかります。初めて担当する人にとっては、何から手をつければいいのか、前年の書類を見ても分かりにくいものです。

この記事では、PTAの決算書に載せるものと見本の表、作り方の代表的な3つのやり方、作る手順、数字が合わないときに見直す場所を順に説明します。書き手は、PTA役員として会計の作業をそばで見てきた立場です。会計担当として自分で手を動かした経験ではないため、細かな処理は、所属するPTAの会計規程と前年の書類を優先してください。

決算書は誰が見るのか

決算書は、1年間のお金の出入りを会員に報告するための書類です。会計担当が作り、会計監査が帳簿や領収書と照らし合わせて確認し、総会で会員の承認を受けます。

会長の確認や押印、学校への提出があるかどうか、総会がいつ開かれるかは、PTAによって違います。前年の担当者に流れを聞いておくと、逆算して準備を始められます。

決算書に載せるもの

様式はPTAごとに決まっていることが多く、前年の様式をそのまま使うのが基本です。一般的には次の項目が並びます。

  • 収入の部(会費、補助金、前年度繰越金など)
  • 支出の部(科目ごとの支出)
  • 科目ごとの予算額・決算額と、その差(「比較増減」「差引」と書く様式もあります)
  • 次年度繰越金

次年度繰越金は、次の式で求めます。

次年度繰越金 = 前年度繰越金 + 今年度の収入(前年度繰越金を除く)− 今年度の支出

例えば、前年度繰越金が10万円、今年度の会費などの収入が50万円、支出が45万円なら、次年度繰越金は15万円です。収入の部の合計に前年度繰越金が含まれている様式では、繰越金を二重に足さないよう注意してください。

決算書の見本(収支決算書の例)

見本にすると、次のような表になります(数字は説明用です)。

収入の部単位:円
科目予算額決算額差額
前年度繰越金100,000100,0000
会費480,000480,0000
補助金20,00020,0000
収入合計600,000600,0000
支出の部単位:円
科目予算額決算額差額
行事費250,000230,00020,000
委員会活動費150,000140,00010,000
消耗品費60,00050,00010,000
通信費40,00030,00010,000
予備費100,0000100,000
支出合計600,000450,000150,000

次年度繰越金 = 収入合計 600,000円 − 支出合計 450,000円 = 150,000円

この見本は収入の部に前年度繰越金を含める様式なので、収入合計から支出合計を引くだけで次年度繰越金が出ます。上の式と同じ15万円になります。

補足

特別会計(周年行事の積立など)がある場合は、一般会計とは別に決算書を作ることがあります。前年の書類で確かめてください。

作り方の3つの型

決算書の作り方は、日々の記録をどう残しているかで大きく3つに分かれます。

型1 紙の伝票と台紙

各委員会が入金伝票・出金伝票を書いて本部に提出し、会計担当が帳簿にまとめるやり方です。領収書は台紙に1枚ずつ貼って保管します。ネット通販のようにPDFで届く領収書も、印刷して貼る必要があります。

記録の形が昔から決まっていて引き継ぎやすい反面、集計はすべて手作業です。

型2 Excelで集計

帳簿をExcel(表計算ソフト)につけ、科目ごとに集計して決算書の様式に転記するやり方です。計算は速くなりますが、式の範囲がずれていたり、転記のときに打ち間違えたりすることがあるため、電卓での検算を併用することが多くなります。

型3 会計アプリで記録

日々の入出金をアプリに記録し、集計と決算書の作成をアプリに任せるやり方です。集計や転記の手間が減る一方、メンバー全員が使い方を覚える必要があります。

決算書を作る手順

どの型でも、流れはおおむね同じです。

  1. 1年分の入出金の記録と領収書をそろえる
  2. 通帳と現金の残高が、帳簿の残高と合っているか確かめる
  3. 科目ごとに収入と支出を集計する
  4. 予算額と並べて、差額を出す
  5. 次年度繰越金を計算する
  6. 前年の様式に転記する
  7. 検算し、会計監査に確認してもらう
  8. 会長・学校など、規程で決まった確認を経て総会に出す

2の残高確認を最初に済ませておくと、後から数字が合わずに集計をやり直す手間を減らせます。

数字が合わないときに見るところ

帳簿の残高と、通帳・現金の残高が合わないときは、次の順に見直します。

  • 記録漏れ:領収書はあるのに帳簿に載っていない支出、入金されたのに記録していない収入
  • 返金:一度支払ったお金の一部が、返品やキャンセルで戻ってきていないか。戻ってきたお金の記録は漏れやすい場所です。記録の仕方はPTAの規程に従います。収入として記録する方法も、会計上まちがいではありません
  • 二重の記録:同じ領収書を2回記録していないか
  • 年度の境目:3月末と4月初めの入出金を、正しい年度に入れているか
  • 転記ミス:集計表から決算書の様式に写すときの打ち間違い

差額の金額そのものも手がかりになります。差額がちょうど1件分の金額なら、その取引の記録漏れや二重記録を疑えます。

実際にあった例

筆者が役員を務めたPTAでは、以前は各委員会が入金伝票・出金伝票を書いて本部に出し、領収書は台紙に1枚ずつのりで貼っていました。ネット通販のPDF領収書も、PTA室で印刷して貼っていました。

その後はExcelで集計するようになりましたが、集計した数字を電卓で検算し、決算書の様式に転記し、監査の方がまた電卓で確認する、という形で検算が二重になっていました。

数字が合わなかったときの原因は、支出の一部が返金で戻ってきたのに、その記録が漏れていたことでした。

次の担当者に残すもの

決算が終わったら、次の担当者のために次のものをまとめて渡しておくと、翌年の決算がぐっと楽になります。

  • 今年の決算書と、作るときに使ったファイル
  • 帳簿と領収書の保管場所
  • 監査や総会までの流れと、それぞれの時期
  • 数字が合わなかったところと、その原因

PTAぽけっと会計では

申請から承認、集計、決算書づくりまで、すべてスマホだけで完結します。パソコンは要りません。各委員会の担当者は、支出を入力して領収書を撮影し、そのまま申請します。本部の会計担当は、届いた申請をスマホで確かめて承認するだけで、科目ごとの集計に自動で反映されます。決算書と金銭出納帳もスマホからPDFで出せるので、様式への転記や電卓での集計はいりません。返金で戻ってきたお金も、収入として登録して記録できます。

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